えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

西友小金井店が閉店しました

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JR武蔵小金井駅北口にある西友小金井店が今日で閉店となりました。イトーヨーカドー進出の影響で、同じく北口にあった東急ストアと長崎屋が相次いで閉店した後も、ある種超然として営業を続けていましたが、とうとう50年以上の歴史に幕を下ろしました。

20年以上前に小金井に移り住んできたときには、すでに時代に取り残されたような雰囲気でしたが、出来た当初は地域のランドマーク的存在だったそうで、古くから近辺に住んでいる方にとっては、感慨深いのではないでしょうか。

南口は再開発ですっかり街並みが変わりましたが、北口も再開発計画があるようなので、建物は解体され、新しいビルが建つのかもしれません。駅前の一等地だけに、これからどんなふうに変貌していくのかちょっと気になります。

『失われたドーナツの穴を求めて』を読みました

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今年60冊目の読了は、『失われたドーナツの穴を求めて』(芝垣亮介・奥田太郎/さいはて社 初版2017年7月4日)です。荻窪の書店「Title」さんのイベント案内で本書のことを知り、面白そうなので手に取りました。同店で行われる刊行記念のトークイベントにも参加する予定です。

本書を手にしてまず驚いたのは、本の右肩に「穴」があいている(貫いている)ことでした。もちろんドーナツの穴の本だからだと思います。子供向けの本には変形・加工したものがよくありますが、穴があいている一般書を目にしたのは初めてです。これだけでも本書は希少価値があるかもしれません。
いつもこのブログで使っているネット書店の画像ではわかりにくいので、本に鉛筆を刺した写真を自分で撮りました。

本書は、「ドーナツの穴」について、歴史学、経済学、数学、言語学、哲学などの専門家が、それぞれの立場で研究・調査した成果をまとめたものです。研究成果の論文集といってもいいかもしれません。「ドーナツの穴」の研究など突飛すぎて普通では考えられませんが、大学の先生たちは、大真面目に、そして遊び心を持って取り組んでいます。

論文といっても、専門家向け(日本にドーナツの穴の専門家はいないと思いますが)ではないので、難解なものではなく(数学的な話、哲学的な話はちょっと難しかったですが)、ドーナツの穴の歴史、ドーナツの穴の売り方、ドーナツの穴から考えるコミュニケーション、言語学を用いたドーナツの穴の分析など、どれも興味深いものでした。いつからドーナツに穴があいたのか、穴はどうやって作られるのか、穴と輪の違いは何か、とにかく錆びつきかけた頭に刺激をどんどん与えてくれます。また本書には、ドーナツの穴に関係するコラムも収録されています。中国とドーナツについての話、実際のドーナツ屋さんの話、競馬の穴の話など、これも面白く読みました。

本書を読んで、好奇心・探求心があれば、どんなものにも新しい発見があり、どんなものからでも新しい発想が生まれ、新しい世界が広がるということがよくわかりました。本書の意義もおそらくそこにあるのだと思います。
「当たり前」「くだらない」「つまらない」と思った瞬間、思考は停止してしまい、様々な可能性が消えていきます。それは何も学問の世界だけでなく、仕事や日常生活でも同じに違いありません。ドーナツの穴を通して、大切なことを教えてもらった気がしました。

「Title」さんのトークイベントでどんな話が出るのか、とても楽しみです。

読後感(おもしろかった)

『あの会社はこうして潰れた』を読みました

あの会社はこうして潰れた (日経プレミアシリーズ)

今年59冊目の読了は、『あの会社はこうして潰れた』(藤森 徹/日経プレミアシリーズ 初版2017年4月10日)です。出版業界のことも書かれていたので手に取ってみました。

本書は、民間の信用調査会社「帝国データバンク」の情報部長を務めた著者が、ここ数年の間に経営破綻した企業を取り上げ、その原因について書いたものですが、もともとは、日本経済新聞電子版のコラム記事です。
世間が大騒ぎになったような大きな会社ではなく、中小・中堅企業の話が大半ですが、ステーキの「スエヒロ商事」、お菓子の「千鳥屋総本舗」「駿河屋」、ジュエリーマキの「三貴」、ジーンズの「エドウィン」、家庭用品の「白元」など知名度が高い企業も登場します。

本書で明らかにされているように、経営危機に至る理由は、産業構造の変化、過大投資、財テクの失敗、不正会計などさまざまです。運・不運もあるでしょうが、中小企業の場合は大企業以上に、経営者の手腕や姿勢といったものが、企業経営を大きく左右することもよくわかります。それだけに、経営責任を自覚していないような経営者のもとで働かなくてはいけない従業員や、そのような経営者がいる会社とつき合わなければいけない取引先は、たまったものではありません。

本書で取り上げている、出版取次会社「栗田出版販売」が経営破綻したときは、私の会社にも影響があり対応に追われました。出版業界独特の商慣習が原因でいろいろ大変だったのですが、同じ業界にいる者として心が傷んだことも事実です。市場の動きに合わせ、再編・合併などがあるのは仕方ないところですが、倒産劇のようなものは二度と起きないで欲しいとつくづく思います。

読後感(まずまず)

『逆説の法則』を読みました

逆説の法則 (新潮選書)

今年58冊目の読了は、『逆説の法則』(西成活裕/新潮選書 初版2017年5月25日)です。書店で目にして手に取りました。

著者は「渋滞学」で評判になった物理学者です。本書では、「大企業の経営不振」「格差社会の進行」「社会保証制度の崩壊不安」など、日本が直面している問題の原因が「長期的視野」の欠如にあるとし、マイナスの選択が長期的にはプラスをもたすことを多くの事例から分析して「長期的視野」の重要性を訴えています。

本書では、まず〈個人〉〈組織〉〈社会〉において、マイナスが転じてプラスになる逆説的な事例を具体的に紹介しているのですが、オセロの戦略、工場の稼働率、車線の選択、エレベータや電車の乗り方など、なるほどと思わせるものばかりです。混んでいる電車の次の方が空いているというのは、よく経験することですが、その理由がよくわかりました。

著者はさらに、様々な逆説的事例の背後にあるロジックを4つの法則-「空けるが勝ち」「分けるが勝ち」「かけるが勝ち」「負けるが勝ち」-としてまとめ、それぞれわかりやすく解説しています。学問的な難しさはないので、何かしら判断に迷ったときは、この法則を使って決めるとことができそうです。

「損して得をとる」「苦あれば楽あり」「急がば回れ」「急いては事をし損じる」「情けは人の為にならず」といったことわざが、科学的にも正しいことが本書で明らかにされています。
しかし、今の日本の社会はこれらの言葉とうらはらに、まず自分の得を考え、苦労することを厭い、すぐに結果を求めるといったことが当たり前のように。「長期的な視野」の重要性は本書で理解できましたが、それが浸透していくためには、私たち一人一人が「利他的」になることが欠かせない気がします。いざとなると難しいかもしれませんが、まずは自分のできる範囲でそんな生き方を心がけたいと思いました。

読後感(とてもよかった)

「小金井阿波おどり」を見物しました

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7月22日、23日は小金井の夏の風物詩「小金井阿波おどり」。今年は久しぶりに見物しました。中央線沿線では何と言っても高円寺が有名ですが、小金井も今年で39回目で存在感はあります。

「連」それぞれに特色があって楽しいのですが、コンクールで入賞するような「連」はさすがにうまく、思わず見入ってしまいます。

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