えむと、メモランダム

読んだ本と出来事あれこれ

読書-歴史・地理

『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊』を読みました。

読書ノート2022年No.20は、『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊』(著 石井幸孝/中公新書/初版2022年8月25日) 今年は、日本の鉄道が開業してから150年。国鉄が民営化されてから35年。節目の年にあたります。 「JR」はいつのまにか…

『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』を読みました。

読書ノート2022年No.17は、『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』(著 細川重男/光文社新書/初版2022年7月30日) 今年の大河ドラマは『鎌倉殿の13人』。まったく馴染みのない北条義時が主人公とあって、いつものように、「いつのまに…

『ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史』を読みました。

読書ノート2022年No.14は、『ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史』(著 井上章一/朝日新書/初版2022年5月30日) もう半世紀以上も昔のこと、私が小学生時代を過ごしたのは、新潟の小さな田舎町。 1年生のときの身体測定で、ほとんどの…

『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』を読みました。

読後ノート2022年No.11は、『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(著者 黒川祐次/中公新書/初版2002年8月25日) ロシアのウクライナ侵攻が始まって2カ月が経ちますが、停戦の見通しは立たず、市民の犠牲は拡大するばかりで心が痛…

『東京大空襲の戦後史』を読みました。

読後ノート2022年No.9は、『東京大空襲の戦後史』(著者 栗原俊雄/岩波新書/初版2022年2月18日) 著者は、毎日新聞の新聞記者ですが、日本の戦争責任や戦後賠償に関する著書も数多く執筆しています。 私もこれまで、『遺骨 戦没者三一〇万人の…

『幕末社会』を読みました。

読書ノート2022年No.4は、『幕末社会』(著者 須田 努/岩波新書/初版2022年1月20日) 日本史上、幕末の黒船来航から大政奉還まではまれにみる激動の時代。 有名な歴史的事件が目白押しですが、農民や町人といった民衆が表に出ることはありませ…

『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』を読みました。

2021年35冊目の読書レポートは『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』(著 柿沼陽平/中公新書/初版2021年11月25日)。書店で目にして手に取りました。 本書は、中国古代史・経済史・貨幣史の専門家で、早稲田大学文学学術院教…

『清六の戦争 ある従軍記者の軌跡』を読みました。

2021年27冊目の読書レポートは『清六の戦争 ある従軍記者の軌跡』(著 伊藤絵里子/毎日新聞出版/装丁 宮川和夫 装画 佐々木悟郎 初版2021年6月20日)。書評で知り、手に取りました。 本書は、昨年夏に、毎日新聞に連載された『記者・清六の戦…

『戦争はいかに終結したか 二度の大戦からベトナム、イラクまで』を読みました。

2021年26冊目の読書レポートは『戦争はいかに終結したか 二度の大戦からベトナム、イラクまで』(著 千々和泰明/中公新書/2021年7月25日)。書店で目にして、手に取りました。 本書は、防衛省防衛研究所主任研究官である著者が、日本ではほと…

『「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価』を読みました。

2021年25冊目の読書レポートは『「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価』(著 大木毅/角川新書/初版2021年7月10日)。テーマと著者にひかれて手に取りました。 山本五十六は、私の出身地新潟県を代表する歴史的人物。その名前には…

『「暮し」のファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』を読みました。

2021年21冊目の読書レポートは『「暮し」のファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』(著 大塚英志 /筑摩選書/初版2021年3月15日)。 書店で目にして、手に取りました。表紙のガスマスクをつけて行進する女子学生の写真が…

『カラー版 王室外交物語 紀元前14世紀から現代まで』を読みました。

2021年14冊目の読書レポートは『カラー版 王室外交物語 紀元前14世紀から現代まで』(著 君塚直孝/光文社新書/初版2021年3月30日)。SNSで知り、手に取りました。 君塚先生の著書を読んだのは、昨年の『エリザベス女王』(中公新書)以…

『土葬の村』を読みました。

2021年11冊目の読書レポートは『土葬の村』(著 高橋繁行/講談社現代新書/初版2021年2月20日)。書店で目にして手に取りました。 これまで、実父、義父、叔父二人の火葬に立ち合いました。遺骨を見て、無常観のような、なんとも言えない感情…

『戦国大名の戦さ事情』を読みました。

2021年6冊目の読書レポートは『戦国大名の戦さ事情』(著 渡邊大門/柏書房/装丁 藤塚尚子/初版2021年1月10日)。書店で目にして手に取りました。 NHKの大河ドラマ『麒麟がくる』が、先週とうとう終わってしまいました。 明智光秀役の長谷…

『明治維新の意味』を読みました。

2021年1冊目の読書レポートは『明治維新の意味』(著 北岡伸一/新潮選書/初版2020年9月20日)。 昨年、新聞書評で取り上げられているのを見て手にしたものの、しばらく積読状態。この正月休みの間で、ようやく読むことができました。 本書は、…

『非国民な女たち』を読みました。

2020年43冊目の読書レポートは『非国民な女たち』(著 飯田未希/中公選書/初版2020年11月10日)。書店で目にして手に取りました。 「贅沢は敵だ」と「欲しがりません勝つまでは」は戦時中の戦争標語として、よく知られています。 そして「パ…

『教養としての「中国史」の読み方』を読みました。

2020年41冊目の読書レポートは『教養としての「中国史」の読み方』(著 岡本隆司/PHPエディターズ・グループ/装幀 西垂水敦/初版2020年10月1日) 書評サイト『HONZ』で、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんのレビュ…

『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか 人糞地理学ことはじめ』を読みました。

2020年38冊目の読書レポートは『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか 人糞地理学ことはじめ』(著 湯澤 規子/ちくま新書/初版2020年10月10日)。書店で目にして手に取りました。 数年前に、小学生向けの『うんこ漢字ドリル』が大ヒットし…

『日ソ戦争1945年8月 棄てられた兵士と居留民』を読みました

2020年36冊目の読書レポートは『日ソ戦争1945年8月 棄てられた兵士と居留民』(著 富田武/みすず書房/装丁 安藤剛史/初版2020年7月17日)。書店で目にして手に取りました。 日本とソ連の戦争というと、映画の『戦争と人間 第3部』を思…

『民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代』を読みました

2020年35冊目の読書レポートは『民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代』(著 藤野裕子/中公新書/初版2020年8月25日)。書店で目にして手に取りました。 本書は、東京女子大学現代教養学部准教授で歴史学者の著者が、近代日本で起きた民衆暴力…

『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』を読みました

2020年28冊目の読書レポートは『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(著 庭田杏珠 渡邉英徳/光文社新書/初版2020年7月30日)。書店で目にして手に取りました。 8月6日は広島の、今日9日は長崎の「原爆の日」。そして15日は…

『証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実』を読みました

2020年25冊目の読書レポートは『証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実』(著 NHK「ETV特集」取材班 監修 荻野富士夫/NHK出版新書/初版2019年11月10日)。 香港で「香港国家安全維持法」が施行され、“香港独立”と…

『歩く江戸の旅人たち スポーツ史から見た「お伊勢参り」』を読みました

2020年22冊目の読書レポートは『歩く江戸の旅人たち スポーツ史から見た「お伊勢参り」』(著 谷釜尋徳/晃洋書房/初版2020年3月30日)。書店で目にして、手に取りました。 小学生の頃、児童文学全集に収められていた『東海道中膝栗毛』を読ん…

『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』を読みました

2020年17冊目の読書レポートは『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』(著 小山俊樹/中公新書/初版2020年4月25日)。 五・一五事件は、二・二六事件とともに昭和史の重要な出来事ですが、二・二六事件の陰に隠れがち。 私の関心も…

『感染症の世界史』を読みました

2020年16冊目の読書レポートは『感染症の世界史』(著 石 弘之/角川ソフィア文庫/初版平成30年1月25日)。本書の前に読んだ『感染症 広がり方と防ぎ方』(中公新書)と一緒に買い求めました。新型コロナウイルスの影響で、売れ行きは好調のよう…

『エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主』を読みました

2020年9冊目の読書レポートは『エリザベス女王 史上最長・最強のイギリス君主』(著 君塚直隆/中公新書/初版2020年2月25日)。書店で目にして手に取りました。 世界に数ある王室の中でも、イギリス王室ほど注目度が高い存在はないでしょう。 …

『「駅の子」の闘い 戦争孤児たちの埋もれてきた戦後史』を読みました

2020年6冊目の読書レポートは、『「駅の子」の闘い 戦争孤児たちの埋もれてきた戦後史』(著 中村光博/幻冬舎新書/初版2020年1月30日)書店で目にして、手に取りました。 本書は、2018年8月に放送されたNHKスペシャル『″駅の子″の闘い…

『ノモンハン 責任なき戦い』を読みました

2019年48冊目の読書レポートは、『ノモンハン 責任なき戦い』(著 田中雄一/講談社現代新書 初版2019年8月20日)。書店で目にして、手に取りました。 ノモンハン事件が起きてから、今年で80年。事件のあらましは、もう随分前に、半藤一利さ…

『さし絵で楽しむ江戸のくらし』を読みました

2019年47冊目の読書レポートは、『さし絵で楽しむ江戸のくらし』(著 深谷大/平凡社新書 初版2019年8月9日)。書店で目にして、手に取りました。 本書は、江戸時代の黄表紙や滑稽本などで描かれた“さし絵”や、歌舞伎や浄瑠璃のセリフを読み解き…

『日本大空襲 本土制空基地隊員の日記』を読みました

2019年44冊目の読書レポートは、『日本大空襲 本土制空基地隊員の日記』(著 原田良次/ちくま学芸文庫 初版2019年7月10日)。新聞広告で目にして、手に取りました。1973年に中公新書として刊行された『日本大空襲(上)』と『日本大空襲(…