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『宝くじで1億円当たった人の末路』を読みました

宝くじで1億円当たった人の末路

2017年31冊目の読了は、『宝くじで1億円あてた人の末路』(鈴木信行/日経BP社 初版2017年3月28日)です。日経BPのメルマガで知り、手に取りました。

タイトルだけ見ると、1億円をあてた人たちがその後どうなったのかを描いたサブカルチャー本のようですが、実際は、日経ビジネスオンラインのコラム「キーパーソンに聞く」を加筆・修正し再構成したもので、専門家や経験者への取材をもとに、今の日本経済や日本企業について、また日本の社会や私たちの生き方などについて考察したビジネス書です。

本書では、「宝くじで1億円あてた人」だけでなく、「事故物件を借りた人」「キラキラネームの人」「友達ゼロの人」「賃貸派の人」「電車で中まで進まない人」「外国人観光客が嫌いな人」「体が硬い人」といった、意表をつく人(テーマ)を取り上げ、その末路がどのようなものか紹介しているのですが、本書で本当に言いたいことは、日本社会の様々な場面で見られる「同調圧力」の打破と、多くの人が信じてきた常識の見直しです。これからの時代、人生を心豊かに、よりよく生きるためには、人と違うことを恐れないこと、常識だと言われていることをそのまま信じないこと、そして効率ばかり追い求めないことが大切だということが、本書を読むとよくわかります。

書かれているエピソードは、そのどれもが面白く、また初めて知ったこともたくさんあり、とても興味深く読んだのですが、最も心に残ったのは、「男の末路」でした。女性の方が生きのびる力があり、コミュニケーション能力が高く、積極的なこと、一方、男はもともと臆病で、常に縄張りを意識し、積極的な生き物でないというくだりは、なるほどと思わせるものがありました。

読後感(よかった)