えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『「言葉にできる」は武器になる。』を読みました

「言葉にできる」は武器になる。

今年41冊目の読了は、『「言葉にできる」は武器になる。』(梅田悟史/日本経済新聞出版社 初版2016年8月25日)です。

仕事では、報告書、資料、手紙(メール)など「書く」ことは日常的なことです。しかも自分は、決して下手な方ではないと思っていたので、ブログだって同じようなものだと高をくくっていました。ところが、いざ書き始めると、事実をうまくまとめれば何とか恰好がつくビジネス文書と違い、自分の考えや思いを、相手に伝わる言葉にするのは、大変だと改めて思い知らされることに。そんな時、本書が目にとまり、手に取りました。

本書は、電通の著名なコピーライターである著者が、文章の書き方というよりは、どうしたら自分の言いたいことを“相手に伝わる言葉”にできるのか、その方法を具体的に紹介しているものです。
第1章では「内なる言葉」に向き合うことの大切さと向き合い方について、第2章ではその「内なる言葉」の磨き方について実例示しながら、第3章では思いを言葉にする手法について言葉の型と心構えの二つの観点から、いずれも丁寧に解説しています。この通り実践すれば、著者が言うように、一生モノの“言葉にできる力”を手にできるかもしれません。

個人的には、第1章は実感をもって理解できましたが、第2章の言葉の磨き方は、「T字型思考法」など参考になったところもあったものの、ちょっとハードルが高い気がしました。この章が本書の肝だとは思うのですが、これから、ここまでしなければいけない場面がめぐってくるのか、考えづらかったからかもしれません。一方、第3章はすぐに使えそうなものが多く、特に「動詞にこだわる」というのは目から鱗でした。著者によれば、動詞が文章に躍動感を与えるが、現代の生活では実体験が減っているため、日本語が本来持っている動詞が衰えているのだそうです。

 時間に追われることで、道草を食う、ことがなくなった。
 スマートフォンばかりを見つめているため、空を仰ぐ、ことがなくなった。
 自然と触れ合うことが少なくなり、傷を負う、ことがなくなった。
 仕事ばかりなので、お笑いする、ことがなくなった。

こうした体験の減少とともに、動詞は姿を消し、語彙力の衰退を引き起こしている。できるだけ多くの体験をすることが、言葉を増やすことにつながると著者は述べていますが、その通りかもしれません。文章を書くうえでは、著者の指摘通り、修飾語ばかりでなく、動詞の使い方をもっと考えた方がよさそうです。

全体としては得るものが多い本で、売れている理由もわかるような気がしました。本書を参考にして、もう少しましな文章が書けるようにしていきたいと思います。

読後感(よかった)