えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『「考える人」は本を読む』を読みました

「考える人」は本を読む (角川新書)

今年44冊目の読了は、『「考える人」は本を読む』(河野通和/角川新書 初版2017年4月10日)です。6月5日に、荻窪の本屋さん「Title」で本書の刊行記念のトークイベントがあります。その前に読んでおこうと思い手に取りました。

今年8冊目に読んだ著者の前作『言葉はこうして生き残った』(ミシマ社)と同様、本書も休刊となってしまった季刊誌『考える人』(新潮社)のメールマガジンを加筆修正したものです。前作と違うのは、著者が心を動かされた本に関する記事だけを集めていて、「読書を考える」「言葉を考える」「仕事を考える」「家族を考える」「社会を考える」「生と死を考える」の6つのカテゴリーに分けて、25冊の本が紹介されています。もっとも、本書も前作と同様、単なる読書ガイドではなく、本にまつわるエピソードや印象的なフレーズが読む人を本の世界に引きずりこみ、読み物として楽しめます。

“現代人はあらゆる方角から飛びこんでくる情報の処理に忙しく、…考えたり感じたりする習性を失いつつある。現代人が触れる情報の多くは表面的なものばかりだ。人々は深い思考や感情を犠牲にしており、しだいに孤立して、他者とのつながりを失いつつある”(デヴィット・L・ユーリン著『それでも、読書をやめない理由』)“人間は遺伝子を継承するだけではない。その人生も、生き方も、ある意味で継承する。親の人生が潜在的にすり込まれる。そのことに、いつか気づくときがある。だから、親がどう生きようとしたか、どう世界に対したか、どう愛したか、知る必要がある。それが、自分を知ることに繋がるからだ”(杉田成道著『願わくは、鳩のごとくに』)といった言葉は、本の紹介と関係なく心に響きます。それにしても、著者の見識の広さにはただ感心するばかりです。

『言葉はこうして生き残った』で紹介されていた本はこれまで3冊読みましたが、いずれも心に残るもので、著者の目利きの良さを実感しました。本書でも気になった本が何冊かあったので、ぜひ読んでみようと思っています。

読後感(よかった)