えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『日本の暗黒事件』を読みました

日本の暗黒事件 (新潮新書)

今年53冊目の読了は、『日本の暗黒時代』(森 功/新潮新書 初版2017年6月20日)です。書店で目にして手に取りました。

本書は、週刊新潮の記者でもあった著者が関わった大きな事件について、取材秘話を明かしながら、そのあらましを振り返るものです。著者と世代が近いせいか、紹介されている事件は自分もよく覚えていますが、タイトルが物語っているように、真相が明らかになっていないものが大半です。

取り上げられているのは、「よど号」事件(1970年)、ロッキード事件(1976年)、グリコ・森永事件(1984年)、「山一抗争」(1984年)、三井物産マニラ支店長誘拐事件(1986年)、イトマン事件(1990年)、住友銀行名古屋支店長暗殺事件(1994年)、オウム真理教事件(1995年)、神戸連続児童殺傷事件(1997年)、和歌山毒物カレー事件(1998年)の10の事件。いずれも日本中が驚き、あるいは戦慄を覚えた出来事です。

どの事件もそれで本が1冊できるくらいのものなので、新書の紙幅では概要の紹介にとどまるのは仕方ないところです。それでも本書で初めて知った事実も多く、また事件が起きた当時の様子も思い起されて、とても興味深く読みました。事件の闇は深く、全容の解明は困難だとは思いますが、『住友銀行秘史』(講談社)が出版され話題となったように、思いがけず事情が明らかになることもあるかもしれません。

2000年以降も、世田谷の一家殺害事件、秋葉原の通り魔事件、相模原の障害者施設殺傷事件など、重大事件は次々に起きています。また、未成年者による殺人、いじめやパワハラによる自殺など、社会問題となった事件も多発しています。人間がいる限り、事件や犯罪は避けて通ることはできないのでしょうが、社会の歪みが事件の発生に拍車をかけているような気がしてなりません。

読後感(面白かった)