えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『あの会社はこうして潰れた』を読みました

あの会社はこうして潰れた (日経プレミアシリーズ)

今年59冊目の読了は、『あの会社はこうして潰れた』(藤森 徹/日経プレミアシリーズ 初版2017年4月10日)です。出版業界のことも書かれていたので手に取ってみました。

本書は、民間の信用調査会社「帝国データバンク」の情報部長を務めた著者が、ここ数年の間に経営破綻した企業を取り上げ、その原因について書いたものですが、もともとは、日本経済新聞電子版のコラム記事です。
世間が大騒ぎになったような大きな会社ではなく、中小・中堅企業の話が大半ですが、ステーキの「スエヒロ商事」、お菓子の「千鳥屋総本舗」「駿河屋」、ジュエリーマキの「三貴」、ジーンズの「エドウィン」、家庭用品の「白元」など知名度が高い企業も登場します。

本書で明らかにされているように、経営危機に至る理由は、産業構造の変化、過大投資、財テクの失敗、不正会計などさまざまです。運・不運もあるでしょうが、中小企業の場合は大企業以上に、経営者の手腕や姿勢といったものが、企業経営を大きく左右することもよくわかります。それだけに、経営責任を自覚していないような経営者のもとで働かなくてはいけない従業員や、そのような経営者がいる会社とつき合わなければいけない取引先は、たまったものではありません。

本書で取り上げている、出版取次会社「栗田出版販売」が経営破綻したときは、私の会社にも影響があり対応に追われました。出版業界独特の商慣習が原因でいろいろ大変だったのですが、同じ業界にいる者として心が傷んだことも事実です。市場の動きに合わせ、再編・合併などがあるのは仕方ないところですが、倒産劇のようなものは二度と起きないで欲しいとつくづく思います。

読後感(まずまず)