えむと、メモランダム

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『ペリリュー-楽園のゲルニカ-④』を読みました

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 4 (ヤングアニマルコミックス)

2018年21冊目の読了は、『ペリリュー-楽園のゲルニカ-④』(武田一義/白泉社 初版2018年3月5日)。昨年夏のNHKのニュース番組でこの作品のことを知って、発売されていた1巻から3巻を読み通したことは、昨年このブログで書きました。独特のキャラクターで描かれる戦争の悲惨さは、読者に強い印象を残します。

この第4巻には第24話から第31話までを収録。組織的な戦闘が終わり、生き残った兵士たちが空腹を抱えながら戦場をさまよう様子や、アメリカ軍の日本兵掃討作戦の様子が描かれています。

降伏することを許されず、極限状態に陥る兵士たち。勝負はついているのに殺戮が繰り返される戦場。この巻でも胸に迫る場面が次々に出てきますが、異色なのは、島民の幼い姉弟と主人公たちの交流の様子を描いた少しせつないエピソードです。
実話をもとにしたものなのか、まったくのフィクションなのかよくわかりませんが、絶望的な状況の中でも人間性を失わない主人公たちの姿に、作者の思いを見たような気がしました。

今回も漫画の力を実感しました。第5巻が楽しみです。

読後感(よかった)