2018年28冊目の読了は、『やってはいけない老後対策』(大村大次郎/小学館新書 初版2018年4月3日)。定年後(老後)をテーマにした本は書店にたくさん並んでいます。私自身も何冊か読んできましたが、「元国税調査官が教える」というキャッチコピーに惹かれてついつい手に取りました。
本書によると、平均的な会社員がもらえる厚生年金は、税金や社会保険料が控除されると生活保護レベルとあまり変わらないそうです。しかも年金は今後減ることはあっても増えることは考えられません。
本書は、そんな大変な生活が予想される中、税金のプロともいえる大村さんが、老後破綻を防ぐために少しでもお金を増やす(残す)ための方法を伝授するものです。
生活のダウンサイジングの重要性、年金や退職金のもらい方、投資のリスクといった定番のテーマはすでに“学習済み”ですが、「定年後のアルバイトはお金が戻ってくる」、「子どもの扶養に入る手がある」、「プチ起業で節税できる」など本書で初めて知った内容もたくさんあって、これからの参考になりました。
もちろん自分には関係ない話もありますが、ちょっとした知識でも、それが有ると無いとでは大きな違いがあることを、つくづく感じさせられます。
人生100年時代を迎え、今後65歳定年が普通になれば、70歳まで雇用延長して年金は70歳からというのも現実味があります。よほど財産でもない限り、定年後はゆっくり余生を過ごすなどということは無理な話になりそうです。
将来に対する不安感がなくならない限り、本書のような本は本屋さんに並び続けることでしょう。売れるテーマがあるというのは悪いことではありませんが、ちょっと複雑な気持ちにもなります。
読後感(参考になった)