えむと、メモランダム

読んだ本と出来事あれこれ

『ふしぎな県境』を読みました

カラー版 - ふしぎな県境 - 歩ける、またげる、愉しめる (中公新書)

2018年40冊目の読了は、『ふしぎな県境』(西村まさゆき/中公新書 初版2018年5月25日)。書店で目にして手に取りました。

世の中にマニアと名のつく人は数知れませんが、県境に興味を持つ“県境マニア”はかなりニッチかもしれません。本書は、フリーライターで、その県境マニアでもある著者による県境ルポルタージュです。

本書では、東京と埼玉のごく普通の県境から始まり、ショッピングモールを横切る県境(京都・奈良)、県境マニアあこがれの盲腸県境(福島・山形・新潟)、村全体が飛び地になっている自治体(和歌山県北山村)、観光地化しつつある三県境(埼玉・栃木・群馬)、湖上に引かれた県境(島根・鳥取)など、全国13カ所の県境の様子がカラー写真で紹介されています。

県境の何が面白いのかという人もいるでしょうが、私にとっては興味があるテーマ。県境が引かれた謂れはもちろん、道路や歩道の違い、準工業地帯と住居専用地域の隣接、カーナビを使った県境案内、意外に難しい飛び地の解消など、どのエピソードも実に面白く、最初から最後まで楽しく読みました。

土地の境界は、初めからあったわけでなく人為的なものです。国を治め、民を治めるために形成されてきたものが今に至っているのでしょう。もっとも、山や川で区分けするというのは何となくわかりますが、広い平地をどういう理屈をつけて区分けしたのかとても気になります。

私の住んでいる小金井市を囲むのは三鷹、武蔵野、西東京、小平、国分寺、府中、調布の7市。何で一筋向こうの道ではなく、こちらの道が境界なのか、何かしら理由はあるのでしょうが不思議でなりません。

読後感(面白かった)