えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『医者の本音』を読みました

医者の本音 (SB新書)

今年60冊目の読了は、『医者の本音』(著 中山祐次郎/SB新書 初版2018年8月15日)。書店で目に手に取りました。

昔に比べると、医者や病院の患者に対する態度・姿勢は随分丁寧になったと感じます。それでも、何をするにも時間がかかったり、やっと回ってきた診察時間が短かったり、尋ねたいことがあっても質問しづらい雰囲気であったり、患者の不満や疑問は消えることはなく、患者と医者の距離もなかなか縮まりません。

本書は、外科医として第一線の医療現場に立つ著者が、そんな患者と医者のギャップを埋め、患者と医者のコミュニケーションを良好にすることを目的として、患者の知りたい“医者の本音”や“病院の本音”さらには医者の私生活の一端まで、包み隠さず書いたものです。

医者が言うことの真意、名医の条件、医者が困る患者、薬や手術、民間療法の真実、病院の実態、医者と医局との関係、ランキングや口コミの信頼性、医者の収入、製薬会社との関係、医者の恋愛事情、そして死に対する考え方。患者が知りたいこと、気になることが明らかにされているだけでなく、ガンを告知されたときにすべき3つの質問や受診に適した日時はいつかといった具体的な情報も盛り込まれていて、内容はどれも興味深く、参考になることが多くありました。

著者は、単なる“暴露本”になることを心配されたようですが、医療に対する著者の真摯な姿勢は、これまでの経歴や本書を読めばよく知ることができ、本書が“暴露本”でないことは明らかです。

この本だけで患者と医者のコミュニケーションが円滑になるとは思えませんが、医者に対する見方が変わり、患者と医者の距離はいくらか縮まりそうな気がします。

本書はクラウドファンティングにより、本の内容を一緒に考えるメンバーを募って出版されたそうです。結果として174人の支援者(大半は著者のことを知らない人たち)と目標を大きく上回る資金も集まったとのことですが、書き手がお金を払うのではなく、お金をもらってアドバイスをしてもらい、本を出すなどということは、普通では到底考えられず、新鮮な驚きを感じました。

読後感(興味深かった)