えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『脳はなにげに不公平』を読みました

パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平 (朝日文庫)

今年27冊目の読書レポートは、『脳はなにげに不公平』(著 池谷裕二/朝日文庫 奥付初版2019年5月30日)。書店で目にして手に取りました。

本書は、「週刊朝日」の連載エッセイをまとめた単行本の文庫版。最新の科学論文をもとに、脳科学に関する短いエッセイが62編収録されています。

これまでに読んだ池谷先生の著書は3冊。どれも面白かったという印象が残っていますが、本書でも興味深い話が次々に登場し、あっという間に読み終えてしまいました。

「顔は性格を反映する」。「人格に言及した言葉が人の心を動かす」。「女性にとって赤色の服を着るのは、潜在的な性的アピールに直結」。「男性は異性の表情を読むのが苦手」。「右手を握ると外に感情が向き、左手を握ると内向きの感情傾向になる」。「人に伝えたいという感情は、自分が快楽を得るための自己満足的な行為」。「脳細胞は年を取っても減らず、3歳までに生き残った細胞(生まれ持った細胞の30%)を一生使い続ける」。「人は生まれながらにして“善”である」。「羞恥心や罪悪感などの不快感は、モラルを生み出す原動力」「感情は表情より身体に表れる。身体にこそ魂が宿る」。

たくさんあって切りがありませんが、とにかく面白く、脳の謎と不思議に興味は尽きませんでした。

もっとも、人間の行動や脳の働きが解明されるというのは、科学的には意味のあることかもしれませんが、なんでも詳らかにするというのは、何か味気ない気がします。

複雑な人間関係にとって、“人間は不思議な存在”であることはクッションになるはずであり、必要なことのように思えてなりません。

ところで本書によると、「自己暴露」は脳にとって快感。ブログ、フェイズブック、ツイッター…SNSは脳科学的には合理的な行動のようです。「一体何が楽しいの?」という声に、答えが用意できました。