昨夜は、今月10日に続き、「NHK音楽祭2019」のコンサートがあり、NHKホールに足を運びました。
昨日は、セミョーン・ビシュコフの指揮とチェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるチャイコフスキープログラム。
前半は樫本大進さんのバイオリンで、『バイオリン協奏曲 ニ長調』。おなじみの曲ですが、樫本さんの演奏ということで楽しみにしていました。
樫本さんの演奏を聴くのは今年3回目。どのコンサートも印象に残っていますが、昨日は格別。特に、第一楽章のカデンツァは圧巻で、抜群のテクニックと色彩豊かな音の響きに魅入られてしまいました。
上手い表現ではありませんが、針の穴から聴こえてくるような繊細な高音は、何とも言えないものです。
アンコール曲はバッハの『無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番から第3楽章』。これも絶品で、心に染みわたってきました。
プログラムの後半は、交響曲『マンフレッド』。チャイコフスキー唯一の標題交響曲ですが、第4番、第5番、第6番ほどには演奏されません。
私も生演奏で聴いたのは昨日が初めてでしたが、まず目についたのはオーケストラの配置。コントラバスが最後列で横に並んで演奏するスタイルは珍しく、低音が正面から響いてくるのは新鮮です。
昨日のビシュコフさんの指揮は、気持ちのこもったもの。チェコフィルもこれに応えて、華やかで、情緒的な作品を熱演。
弦と管の響きに圧倒され、打楽器の歯切れのよさが心に残りました。オケの力があってこそですが、この作品はもっと評価されても良さそうです。
樫本さんとチェコフィル。チャイコフスキーを堪能しました。