えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『愛犬家の動物行動学者が教えてくれた秘密の話』を読みました

愛犬家の動物行動学者が教えてくれた秘密の話

今年57冊目の読書レポートは、『愛犬家の動物行動学者が教えてくれた秘密の話』(著 マーク・ベコフ 訳 森 由美/エクスナレッジ 初版2019年8月30日)

週末、購読している新聞(一般紙と経済紙)の書評欄を読むのは楽しいものです。本書は、両紙で同じ日に紹介されたもの。あまりないことで、しかも犬に関する本。気になって読んでみました。

著者は愛犬家でもあるアメリカの動物行動学者。本書では、まず犬との関わり方を考え、犬の鼻、目、耳の能力を見て(鼻の力は相当なすぐれものです)、そして著者の観察と学術的な観点から、犬の遊びの意味、犬社会における序列、散歩の意味、犬の心理や感情などについて、解き明かしていきます。

散歩の途中で臭いを嗅ぎまくるのはなぜか。マーキングにはどんな意味があるのか。犬にはどんな感情があるのか。何であんなに尻尾を振るのか…。

わが家にも今年11歳になったオスのマルチーズがいますが、不思議な行動の謎が解けてきました。

散歩していると、臭いを嗅いでいる犬の意思(?)に反して、「もう行こう」とついついリードを引っ張ってしまうことがよくあります。けれど犬にとっては、それはせっかくの楽しみを奪ってしまう、‟無慈悲”な振る舞いのようです。

犬の散歩はあくまで犬のための散歩であって、人間のための散歩であってはならないと著者は戒めていて、「これからは、多少汚い場所でも、できるだけ臭いを嗅がせよう」と心に誓ってしまいました。

著者は、「人間は犬の幸福に全面的に責任があるということも自覚してほしい。私たち人間は彼らの生命線であり、この力関係には大きな責任が伴う。」と語っています。

しかし残念ながら、犬を物のよう扱ったり、虐待したり、捨てたりする例は日本でも後を絶たず、ときに社会問題にさえなります。

犬を飼うすべての人に、著者のこの言葉を知ってほしいとつくづく思いました。