昨夜、「NHK交響楽団定期公演 第1928回(12月Cプログラム)」があり、NHKホールに足を運びました。
指揮は、まだ35歳という若さのディエゴ・マテウス。プログラムの前半は、メンデルスゾーンの『「夏の夜の夢」序曲』と、ニキータ・ボリソグレブスキーのヴァイオリンで、グラズノフの『ヴァイオリン協奏曲 』。
冬の寒さに「夏の夜の夢」の取り合わせは、ちょっと面白かったのですが、演奏はもちろん正統派。曲の冒頭、弦の繊細な響きは、今も耳に残っています。
グラズノフの『ヴァイオリン協奏曲 』は、初めて聴きました。チャイコフスキーに影響されたとのことで、民族音楽風なところもありますが、とても情緒的な作品です。
ボリソグレブスキーさんの演奏は、華やかであり、胸に響く低音は「優美」という言葉がぴったり。途中のカデンツァも色彩豊かで、作品の良さを十二分に引き出しているように感じました。
ボリソグレブスキーさんのアンコール曲は、ヴィエニャフスキの『エチュード カプリース』という作品。これも初めて聴きましたが、とても技巧的なもの。ボリソグレブスキーさんのテクニックが光っていました。
プログラムの後半は、ベルリオーズの『幻想交響曲』。ステージには、ハープが4台並び目を引きました。
マテウスさんの指揮は、若さからくるものか、終始伸びやかで、躍動的。N響の弦を鳴らし、管を響かせていましたが、変な派手さはなく、好感が持てました。
昨日の演奏では、特に管と打楽器が印象的。クラリネットとオーボエの音色は魅力的で、ティンパニと大太鼓の響きは、胸の奥にも届いてきます。
演奏後、このパートへの拍手はひときわ大きく、同じように感じた人が多かったのかもしれません。
ところで、昨日の演奏中、突然チェリストの一人が立ち上がり、楽器を持って楽屋の方に。
何事かと思ったのですが、どうやら、他のメンバーのチェロの弦が切れたため、張り直すためだったようです。(定かではありません)
しばらくすると戻ってきて、(弦を張り直した)チェロを手渡すところを目撃しましたが、話には聞いていた、珍しい場面に遭遇しました。
NHKホール前の代々木公園のけやき並木では、『青の洞窟 SHIBUYA』のきれいなイルミネーションも点灯。
コンサートでは音がきらめき、今日のプログラムはひときわ心に残るものになりました。
(『青の洞窟 SHIBUYA』のイルミネーション)