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「NHK交響楽団定期公演 第1934回」

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昨夜、「NHK交響楽団定期公演 第1934回(2月Bプログラム)」があり、サントリーホールに足を運びました。

指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。プログラムの前半は、レティシア・モレノのヴァイオリンで、プロコフィエフの『ヴァイオリン協奏曲 第1番』。

私にとっては、初めての出会いでしたが、抒情性のある旋律と、現代曲らしい鋭いリズムと不協和音が同居していて、とても印象的な作品。

プログラムの解説によると、この曲の着想は、プロコフィエフの若き日の実らなかった大恋愛に関係しているとのことで、苦い思い出が複雑に表現されているのかもしれません。

モレノさんの演奏は、その抒情性を静かに表現。オケと響きあいながら繰り出されるテクニックも見事だったのですが、アンコール曲のバッハの『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番 第1曲「アダージョ」』もまた素晴らしいもの。

しっとりと心に染み入り、全曲の演奏をぜひ聴いてみたいと思いました。

プログラムの後半は、ラフマニノフの『交響曲 第2番』。重厚・華麗な曲調とラフマニノフらしい美しいメロディーが特徴的で、好きな交響曲のひとつです。

昨日の演奏は、前半(第1楽章・第2楽章)は抑え気味な感じでしたが、後半、いよいよN響の本領発揮。第3楽章では、弦の響きに気持ちいいほどゆったりと包み込まれ、第4楽章では、繰り返し迫ってくる弦と管の波に圧倒されました。

「さすが、パーヴォ・ヤルヴィ」という言葉が思わず頭に浮かびましたが、曲の終盤、指揮に応えるように、大きく揺れ動きながら弦を弾くオケの姿もずっと心に残りそうです。

演奏終了後、客席の拍手は大きく、なかなか鳴り止まず。素晴らしい演奏を物語っていました。