えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『首都直下地震と南海トラフ』を読みました。

首都直下地震と南海トラフ (MdN新書)

2021年9冊目の読書レポートは『首都直下地震と南海トラフ』(著 鎌田浩毅/Mdn新書/初版2021年2月11日)。書店で目にして手に取りました。

東日本大震災から今日で10年。地震、津波、それに続く原発事故はついこの間の出来事のよう。忘れることはないでしょう。

本書は、京都大学教授で、火山学、地球変動学を専門とする著者が、日本列島でこれから起きるであろう地震や火山噴火について明らかにし、私たちの“生き延び方”を説くもの。

女優の室井滋さんとの対談をイントロダクションとして、「東日本大震災の余震」、「直下型地震(首都直下地震)」、「南海トラフ巨大地震(西日本大震災)」、「富士山噴火」について、その発生のメカニズムと危険性をわかりやすく解説。

さらに、迫りくる大災害にどう向き合い、どう振る舞っていくべきか、著者の考え方が示されています。

東日本大震災以降10年くらいは、同じ震源域でマグニチュード8クラスの巨大地震が発生するリスクがある。(先月震度6強の余震が発生し、ちょっと驚きました。)

東日本の内陸部では、首都圏も含め直下型地震が起きる可能性が高まっている。

東海地震、東南海地震、南海地震が連動する巨大地震は、2040年頃(遅くとも2050年)までには発生する。

火山噴火のリスクが高まり、富士山が噴火する可能性も否定できない。

「1000年に1度の大変化の時代に突入している」という言葉は、決して誇張ではないことがよくわかり、気持ちは穏やかではありません。

けれど著者は、天変地異を怖いものとしてただ怯えるのではなく、長い目(長尺の目)で、興味深い歴史と地理と自然の数々を発見していくような視座を持ち、“しなやかに生きる”ことが大切だと語っています。

ともすると、地震の多さを恨み、日本人の宿命を嘆いてしまいますが、はるか昔に起きた地震がもたらした“恵”(言葉にちょっと違和感ありますが)を知ると、考え方も少し変わってきそうです。

ところで本書では、地球科学にも関連して、著者の印象的な言葉に出会います。

「9割の無意識が人生を決めている。ごちゃごちゃ考えず、自分の感性や直感に従って、“流れ”に身を任せてみる」

「“万が一”という言葉が頭の中をよぎったときには、“九九九九の可能性”を同時に思い浮かべるようにすれば、豊かな人生を送るための切符を手に入れられる」

残念ながら、もう自分の人生を思い悩むような年齢ではありませんが、大切な残り時間のために忘れないでいようと思っています。