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“伊東四朗生誕?!80+3周年記念”『みんながらくた』を観ました。

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下北沢の本多劇場で上演中の、“伊東四朗生誕?!80+3周年記念”『みんながらくた』を観ました。

伊東四朗さんが舞台に立つのは3年ぶりとのこと。
戸田恵子さん、竹内郁子さん、ラサール石井さん、小倉久寛さんといった面々に加え、堺正章さんの娘さんの堺小春さんが共演するということで、とても楽しみにしていました。

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作品は、古典落語(多分「井戸の茶碗」)をベースにしたもので、リサイクルショップに持ち込まれた「仏像」をめぐる一騒動。

リサイクルショップの店主を伊東さん、その娘を戸田さんが演じるのですが、“マッチングアプリ”や“引きこもり”といった今を感じさせる話題を織り交ぜながら、3組の家族の泣き笑いが展開されます。

大がかりな舞台装置があるわけでなく、捧腹絶倒の場面もありませんが、何気ない会話の中に面白みを感じる喜劇らしい喜劇。

出演者の皆さんが繰り広げる個性的で、それでいて自然体の演技で人情の機微が伝わってきて、心が温まる思いがしました。

コロナで世の中が何となく落ち着かないだけに、こういった芝居に気持ちが和むのかもしれません。

ところでこの公演では、出演者が、観客から寄せられた感想を、カーテンコールの舞台上で読み上げることになっているようです。

私が観た日は、伊東さん(いつも伊東さんかもしれません)が紹介したのですが、思いがけない内容に出演者と観客が一緒になって笑うこともあって、舞台と客席の距離が一気に縮まった感じがしました。

それにしても、伊東さんの存在感はさすがです。見るものを引き付け、とても83歳(今年6月には84歳だそうです)とは思えません。

これからも、元気に活躍してほしいものです。