昨日(17日)、NHK交響楽団「第1939回定期公演(Aプログラム)」があり、東京芸術劇場に足を運びました。
緊急事態宣言が解除され、会場は久しぶりにほぼ満席。やっといつもの定演という感じでした。
昨日の指揮は、ヘルベルト・ブロムシュテット。今年94歳というのは、本当に驚きです。
プログラムの前半は、レオニダス・カヴァコスのヴァイオリンで、ブラームスの『ヴァイオリン協奏曲』。
ブラームスの『ヴァイオリン協奏曲』は、もう何度となく聴いていますが、初めて聴いたカヴァコスさんのヴァイオリンは、力強く、伸びやかで、それでいて繊細。
N響との一体感ある演奏は見事としか言いようがなく、豊かな音の世界に魅了されてしまいました。
コロナのせいで、海外演奏家のキャンセルも多いなか、「よくぞ来てくれた」という感じです。
アンコール曲は、バッハの『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番』。一転して、澄み切った音色が心に染みてきました。
プログラム後半は、ニルセンの『交響曲第5番』。初めて聴いた作品でしたが、スネアドラムの連打、戦争・闘いをイメージするリズム、管と弦が織りなす複層的な響きが印象的。
もちろん、ブロムシュテットさんの指揮と、ブロムシュテットさんと強く結びついたN響の熱演があってこそですが、すっかり虜になりました。
ところで、昨日の主役は、ブロムシュテットさんだったかもしれません。
年齢をまったく感じさせない、かくしゃくとしたタクト、カヴァコスと寄り添って歩く姿、N響との深い絆…。
演奏終了後、万雷の拍手は楽員が退場しても鳴り止まず、それに応えて二度もステージで答礼する姿に、胸が熱くなってしまいました。
これから先も、心に残るコンサートであり続けることは間違いありません。
今月はもう一回、幸せな時間を過ごす予定です。