昨日、NHK交響楽団「第1946回定期公演(Cプログラム)」があり、東京芸術劇場に足を運びました。
指揮はガエタノ・デスピノーサさん。プログラムは、佐藤晴真さんのチェロで、チャイコフスキーの『ロココ風の主題による変奏曲』と、ムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲『展覧会の絵』。
コロナの影響で、指揮者、ソリストとも出演者が変更になったのですが、思いがけなかったのは、佐藤さんの演奏。
佐藤さんはまだ23歳。ところが、2019年にミュンヘン国際音楽コンクールチェロ部門で日本人として初めて優勝したほか、国内外で数々の賞を受賞しているとことを昨日初めて知りました。
まさに新進気鋭のチェリストですが、昨日の演奏もその実力を十分感じさせるもの。
しっかりとした深い音色と、装飾的なフレーズを弾きこなすテクニックに、すっかり引き込まれてしまいました。
アンコールで弾いた『鳥の歌』も強く印象に残り、当初のソリストを期待していた人は残念だったかもしれませんが、私にとっては望外の出来事といった感じです。
次の『展覧会の絵』は、N響の色彩豊かな華麗な演奏で「ラヴェル版」の魅力を十分に堪能。
とりわけ、トランペット、サキソフォン、ユーフォニアム、ファゴットなど管の響きに魅了され、打楽器の活躍が目に焼き付きました。
デスピノーサさんの指揮は外連味なく端正なものでしたが、フィナーレは圧巻。抑えていたものを解き放ったような演奏で、ホールいっぱいに響き渡った音が、今も耳に残っています。