えむと、メモランダム

読んだ本と出来事あれこれ

『みんなの朝ドラ』を読みました

みんなの朝ドラ (講談社現代新書)

2017年49冊目の読了は、『みんなの朝ドラ』(木俣冬/講談社現代新書 初版2017年5月20日)です。新聞の書評で知って、面白そうだったので手に取りました。

著者は、NHKの朝ドラ(正式名称は「連続テレビ小説」)のレビューを毎日書いているそうですが、本書では、主に2010年以降に放送された作品や時代背景を分析しながら、独自の朝ドラ論を展開しています。

我が家でも、朝ドラは比較的よく見るテレビ番組ですが、関心はあくまでストリーや役者にあります。しかし、本書での著者の着眼と深い分析は、まさに「たかが朝ドラ、されど朝ドラ」といった感じで、ある種驚きを感じながら読んでいました。

社会や家庭における女性の役割・位置づけは、時代とともに大きく変わり、生き方も多様なものになっています。朝ドラの主人公は女性であるだけに、本書を読むと、朝ドラがまさに時代を映してきたことがよくわかります。(もちろん、それは脚本家の意識を映していることにもなるのでしょうが。)

今放送されているのは「ひよっこ」。楽しく、何か懐かしく、そして泣けるドラマで、はまっています。あまり難しいことは考えず、単純に楽しみたいと思っています。

読後感(まずまず)

『N響 水曜夜のクラシック』に行ってきました

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NHKホールであった『N響 水曜夜のクラシック』を聴きに行きました。
指揮はトン・コープマン、演目はすべてモーツァルトで、『歌劇「魔笛」序曲』、『フルートとハープのための協奏曲』、『交響曲第41番「ジュピター」』の3曲。
『フルートとハープのための協奏曲』は今回初めて聴きました。フルートはカール・ハインツ・シュッツ、ハープはシャルロッテ・バルツェライト。フルートとハープというのは珍しい取り合わせですが、曲はいかにもモーツァルトといった感じでした。ハープの繊細な音色がしっかり客席まで響いてきて、ちょっと驚きました。

客席は9割近く埋まっていて、さすがN響です。ただ、今日の曲を聴くにはNHKホールは大きすぎるかもしれません。

アンコールは『アイネクライネナハトムジーク』。N響の安定感ある演奏で、モーツァルトを堪能した水曜の夜でした。

『悪文 伝わる文章の作法』を読みました

悪文 伝わる文章の作法 (角川ソフィア文庫)

2017年48冊目の読了は、『悪文 伝わる文章の作法』(岩淵悦太郎/角川ソフィア文庫 初版平成28年10月25日)です。前に読んだ『「超」実用的文章レトリック入門』(加藤明/朝日新聞出版)で参考文献として紹介されていて、タイトルが気になり手に取りました。文庫版の発行は昨年ですが、日本評論社版は1960年に初版が発行されていて、実に半世紀以上にわたって読まれているロングセラーです。

本書はタイトルにもあるように、新聞や雑誌の記事、ニュース原稿、広告文、論文などにおける悪文=「わかりにくく伝わらない文章」の例をあげ、どうしたら伝わる文書に変わるのか、その方法を伝授するものです。

50年も前に初めて出た本なので、例文はさすがに時代を感じます。しかし、文の切り方、筋の通し方、言葉の選び方、修飾の仕方、言葉の選び方など紹介されている作法は、そんなことは無関係に、今の私達にも十分参考になります。悪い見本示して、それを直すというスタイルは、身につまされる分理解しやすいのかもしれません。

本書を読み終えて、まず心がけようと思ったことは、センテンスを短くすることです。それができれば、内容はともかく、文章にリズム・メリハリも生まれて少しは読みやすくなりそうです。でも、自分の思いを言葉にする力がないと、やはりいい文章にはなりません。

読後感(まずまず)