えむと、メモランダム

読んだ本と出来事あれこれ

読書

『ずっと、ずっと帰りを待っていました 「沖縄戦」指揮官と遺族の往復書簡』を読みました。

読書ノート2024年の6冊目は『ずっと、ずっと帰りを待っていました 「沖縄戦」指揮官と遺族の往復書簡』(著 浜田哲二 浜田律子/新潮社/初版2024年2月15日)。書店で目にして、手に取りました。 本書は、24歳の若さながら大隊長として1千人…

『密航のち洗濯ときどき作家』を読みました。

読書ノート2024年の5冊目は『密航のち洗濯ときどき作家』(文 宋恵媛・望月優大 /写真 田川基成/柏書房/初版2024年1月24日/装画 木内達郎/装丁 小川恵子)。書店で目にして、手に取りました。 本書は、1911年に朝鮮・蔚山で生まれ、日…

『夜行列車盛衰史』を読みました。

読書ノート2024年の4冊目は『夜行列車盛衰史』(著 松本典久/平凡社新書/初版2023年12月15日) “鉄オタ”ではないのですが、「夜行列車」という文字が懐かしく、手に取りました。 本書は、鉄道ジャーナリストの著者が、明治22年(1889年…

『万感のおもい』を読みました。

読書ノート2024年の3冊目は『万感のおもい』(著 万城目学/夏葉社/初版2022年5月10日/装丁 櫻井久) 夏葉社さんの本ということもあり、発売後さっそく購入したのですが、ずっと本棚に飾ったまま。万城目さんの直木賞受賞が、本を開くきっかけ…

『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』を読みました。

読書ノート2024年の2冊目は、『90歳までに使い切る お金の賢い減らし方』(著 大江英樹/光文社新書/初版2023年3月30日)。 大江さんは、定年退職後にサラリーマンから経済コラムニストに転身された方。大江さんの著者『定年楽園』との出会い…

『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在り』を読みました。

読書ノート2024年の1冊目は、『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在り』(著 酒井聡平/講談社/装幀 相京厚史/初版2023年8月28日)。いろいろあって、1年ぶりの投稿です。 硫黄島は太平洋戦争で有数の激戦地。梯久美子さんの著書『散るぞ悲しき』や、…

2022年の読書

2022年に読んだ本は、単行本17冊、新書33冊、文庫3冊、選書4冊の全部で57冊。 多読を目標にしているわけありませんが、「読んだ」という実感には乏しい一年となってしまいました。 その理由はとにかく多忙だったことで、特に11月と12月は怒…

『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊』を読みました。

読書ノート2022年No.20は、『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊』(著 石井幸孝/中公新書/初版2022年8月25日) 今年は、日本の鉄道が開業してから150年。国鉄が民営化されてから35年。節目の年にあたります。 「JR」はいつのまにか…

『世界は五反田から始まった』を読みました。

読書ノート2022年No.19は、『世界は五反田から始まった』(著 星野博美/ゲンロン叢書/装丁 名久井直子/初版2022年7月10日)。地元の書店(くまざわ書店武蔵小金井北口店)で購入したサイン本を読みました。 五反田という地名で頭に浮かぶの…

『親父の納棺』を読みました。

読書ノート2022年No.18は、『親父の納棺』(著 柳瀬博一/絵 日暮えむ/幻冬舎/初版2022年8月5日) 私の父が亡くなったのは4年前のこと。まだ寝ていた日曜日の早朝、実家の近くに住む妹が泣きながら電話してきたことは忘れられません。 取るも…

『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』を読みました。

読書ノート2022年No.17は、『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』(著 細川重男/光文社新書/初版2022年7月30日) 今年の大河ドラマは『鎌倉殿の13人』。まったく馴染みのない北条義時が主人公とあって、いつものように、「いつのまに…

『砂まみれの名将 野村克也の1140日』を読みました。

読書ノート2022年No.16は、『砂まみれの名将 野村克也の1140日』(著 加藤弘士/新潮社/初版2022年3月15日) ウィキペディアで調べたところ、野村克也氏の著書は、共著を含めると150冊以上ありました。 作家も顔負けですが、他の著者が…

『命のクルーズ』を読みました。

読書ノート2022年No.15は、『命のクルーズ』(著 高梨ゆき子/講談社/初版2022年3月31日/装幀 大久保伸子) 本書は、新型コロナウイルスの集団感染が起きた、大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の救援活動の実態を描いたノンフィク…

『ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史』を読みました。

読書ノート2022年No.14は、『ふんどしニッポン 下着をめぐる魂の風俗史』(著 井上章一/朝日新書/初版2022年5月30日) もう半世紀以上も昔のこと、私が小学生時代を過ごしたのは、新潟の小さな田舎町。 1年生のときの身体測定で、ほとんどの…

『妻はサバイバー』を読みました。

読後ノート2022年No.13は、『妻はサバイバー』(著者 永田豊隆/朝日新聞出版/初版2022年4月30日/装画 椎木彩子) 本書は、精神疾患を抱えた妻を持つ著者が、20年に渡る闘病の日々を包み隠さず綴ったルポルタージュ。 朝日新聞の記者である…

『写真はわからない 撮る・読む・伝える―「体験的」写真論』を読みました。

読後ノート2022年No.12は、『写真はわからない 撮る・読む・伝える―「体験的」写真論』(著者 小林紀晴/光文社新書/初版2022年4月30日) 写真には昔から興味があり、カメラも何台か持っています。ただ残念ながら「趣味」というほどには活躍し…

『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』を読みました。

読後ノート2022年No.11は、『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(著者 黒川祐次/中公新書/初版2002年8月25日) ロシアのウクライナ侵攻が始まって2カ月が経ちますが、停戦の見通しは立たず、市民の犠牲は拡大するばかりで心が痛…

『ネットで故人の声を聴け 死にゆく人々の本音』を読みました。

読後ノート2022年No.10は、『ネットで故人の声を聴け 死にゆく人々の本音』(著者 古田雄介/光文社新書/初版2022年3月30日) このブログを始めて5年目になりますが、「自分が死んだらどうなるのか」なんて、考えたこともありません。 本書は…

『東京大空襲の戦後史』を読みました。

読後ノート2022年No.9は、『東京大空襲の戦後史』(著者 栗原俊雄/岩波新書/初版2022年2月18日) 著者は、毎日新聞の新聞記者ですが、日本の戦争責任や戦後賠償に関する著書も数多く執筆しています。 私もこれまで、『遺骨 戦没者三一〇万人の…

『ソ連兵へ差し出された娘たち』を読みました。

読後ノート2022年No.8は、『ソ連兵へ差し出された娘たち』(著者 平井美帆/集英社/初版2022年1月30日/ブックデザイン 鈴木成一デザイン室) 2021年第19回開高健ノンフィクション賞受賞作品です。 本書は、1945年8月、日本の敗戦に…

『ぼくとがんの7年』を読みました。

読後ノート2022年No.7は、『ぼくとがんの7年』(著者 松永正訓/医学書院/初版2021年12月15日/装幀 松田行正+ 杉本聖士) 書評サイト「HONZ」で知って手に取りました。 著者は、小児がんを専門とする小児外科医。「売れない物書き」と…

『物価とは何か』を読みました。

読書ノート2022年No.6は、『物価とは何か』(著者 渡辺 努/講談社選書メチエ/初版2022年1月11日) このところ、食料品など生活に身近な商品の値上げが相次ぎ、ロシアのウクライナ侵攻の影響もあって、さらに拍車がかりそうです。 これで給料も…

『俳句と人間』を読みました。

読書ノート2022年No.5は、『俳句と人間』(著者 長谷川 櫂/岩波新書/初版2022年1月20日) 俳句や短歌に関係する本を手にするたびに、「自分も作ってみたい」と思うのですが、いつもそこで終わってしまい、なかなか先に進みません。 本書は、月…

『幕末社会』を読みました。

読書ノート2022年No.4は、『幕末社会』(著者 須田 努/岩波新書/初版2022年1月20日) 日本史上、幕末の黒船来航から大政奉還まではまれにみる激動の時代。 有名な歴史的事件が目白押しですが、農民や町人といった民衆が表に出ることはありませ…

『生涯弁護人 事件ファイル1』と『生涯弁護人 事件ファイル2』を読みました。

読書ノート2022年No.3は、『生涯弁護人 事件ファイル1』と『生涯弁護人 事件ファイル2』(著者 弘中惇一郎/講談社/初版2021年11月30日/装幀 アルビレオ) 著者の弘中弁護士は、「無罪請負人」とも呼ばれ、数々の世間の注目を集めた裁判で…

『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』を読みました。

読書ノート2022年No2は、『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』(著者 和田靜香/左右社/初版2021年12月27日/装幀 松田行正 杉田聖) 著者の和田さんは、相撲・音楽ライター。昨年上梓した『時給はいつも最低賃金、こ…

『うつりゆく日本語をよむ ことばが壊れる前に』を読みました。

2022年1回目の読書ノートは、『うつりゆく日本語をよむ ことばが壊れる前に』(著 今野真二/岩波新書/初版2021年12月17日)。書店で目にして手に取りました。 仕事柄、契約書の読み書き、ビジネス文書の作成、メールでの相談対応などがルーテ…

2021年の読書

今年読んだ本は全部で66冊。内訳は単行本31冊、新書29冊、文庫2冊、選書4冊で、ブログに感想を書けたのは36冊でした。 昨年に比べ、5冊多く読みましたが、9月以降時間が取れなくなり、感想の投稿数はブログを始めて以来最低。 ブログを書くこと…

『ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル』を読みました。

2021年36冊目の読書レポートは『ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル』(著 佐藤大介/幻冬舎新書/初版2021年11月25日)。書店で目にして手に取りました。 今月21日、3人の死刑囚に刑が執行されました。2年ぶりとのことですが、本書…

『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』を読みました。

2021年35冊目の読書レポートは『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで』(著 柿沼陽平/中公新書/初版2021年11月25日)。書店で目にして手に取りました。 本書は、中国古代史・経済史・貨幣史の専門家で、早稲田大学文学学術院教…