えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』を読みました。

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読書ノート2022年No2は、『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』
(著者 和田靜香/左右社/初版2021年12月27日/装幀 松田行正 杉田聖)

著者の和田さんは、相撲・音楽ライター。昨年上梓した『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』(左右社)は、メディアで取り上げられ話題となりました。

本書は、その著書で和田さんと対話した、立憲民主党の小川淳也衆議院議員(香川1区選出)の選挙活動を追ったルポルタージュです。

和田さんは、昨年10月、衆院選挙の公示日前日に小川さんの選挙事務所に乗り込み、選挙活動を手伝いながら、投票日まで小川さんの密着取材を敢行。

本書では、小川さんと支援者の選挙活動の様子を伝えるとともに、俳優の小泉今日子さんとの対談や、小川さんの演説も収録して、政治と選挙、民主主義について和田さんの思いも綴られています。

和田さんの語り口は軽妙。選挙活動のあれこれを楽しく、興味深く読んだのですが、まず驚いたのは、小川さんのスケジュールでした。(スケジュール表が掲載されています)

12日間休みなく、朝から夜まで、街宣、街頭演説、そして小川さんならではの「青空対話集会」と超多忙で、走り回り、そしてお辞儀しまくりの毎日。

傍から見ると過酷そうですが、それこそが選挙活動ということになるのかもしれません。

その一方、選挙ビラへの証紙貼り、電話かけ、ビラ配りなど、選挙活動では支援者も大事な戦力。(ただし和田さんは足手まとい気味)

本書からは、支援者の熱気も伝わってきて、自分も一緒に選挙活動しているような気分になってきます。

小川さんに「ゼロ打ち(8時と同時に当確が出ること)」が出た場面では、当選の喜びが自分の心の中にも湧いてくる感じがしました。

ところで、小川さんの選挙活動で最も印象に残ったのは、街頭演説のあと、集まった人たちと意見を交わす「青空対話集会」のこと。

「自分の政策を語ることより、みなさんの声を聞くことが大事だ」という小川さんの考えで行っているそうですが、和田さんと同様、私の選挙区でもそんな光景は見たことがありません。

和田さんは、「これからの政治は、オレについてこい!みたいな昭和なものでなく、共感しながらも時に反発もし、一緒に考え、共に歩む政治(共感型の民主主義)であってほしい」と語っています。

まったく同感ですが、そのためには、小川さんのような政治家が、政党を問わずもっと出てくる必要があるでしょう。

小川さんによれば、「人々が不安、不満、怒りに苛まれているのは、時代は変わっているのに、政治が昭和のままだから」。

“昭和の政治”を変えないと幸せになれないなら、そしていつまで経っても変わらないなら、自分たちの手で変えていくしかありません。

小川さんの出陣式で、慶応義塾大学の井出英策教授は、「今の社会を作った責任は、自民党、政治家だけでなく私たちにもある」とスピーチ。

政治を変え、社会を変えていく第一歩は、とにかく選挙に行くことに尽きます。