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『昭和ちびっこ広告手帳~東京オリンピックからアポロまで~』を読みました

昭和ちびっこ広告手帳 〜東京オリンピックからアポロまで〜

2020年12冊目の読書レポートは『昭和ちびっこ広告手帳~東京オリンピックからアポロまで~』(編 おおこしたかのぶ ほうとうひろし/青幻舎/初版2009年4月20日)。書店で目にして手に取りました。

本書は青幻舎の「ビジュアル文庫シリーズ」の一冊。
オークラ出版から刊行された『ちびっこ広告図案帳―AD For KIDS:1965-1969』を再編集したもので、昭和40年(1965年)から昭和44年(1969年)に発行された児童向け雑誌(主に「少年サンデー」、「少年マガジン」といった週刊漫画雑誌)に掲載された広告を収録した一種の写真集。

300点余りの広告を、「お菓子」、「プラモデル」、「おもちゃ」、「食品・衣料・医薬・出版」、「文房具・自転車・時計・その他」の5つのジャンルに分けて、当時の色合いそのままに紹介しています。

昭和40年代前半は、ちょうど私がちびっ子だった時代。
マンガが大好きで、「サンデー」、「マガジン」、「キング」といった週刊誌だけでなく、「ぼくら」、「少年画報」といった月刊誌もよく読んでいました。

それだけに、よく食べたキャラメル、チョコレートやフーセンガム、欲しかった懸賞の賞品、大好きだったプラモデル、ねだって買ってもらったサッカーゲーム、羨ましかった方向指示器付きの自転車…。

目に飛びこんでくる広告は「そういえばこんなのあったな」と思い起こされ、懐かしさを感じるものばかり。

半世紀の時を超え、当時の記憶が広告とともに蘇ってきました。

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(鉄腕アトムのシールが楽しみだった。上原ゆかりも懐かしい)

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(おそ松くんも、オバQも連載を心待ちにしていた)

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(柔道一直線はテレビドラマに夢中。キックボクサーの沢村忠は大人気で一世を風靡した)

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(プラモデルが大好きでよく作った。サターンロケットを作ったことは今でもよく覚えている)

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(方向指示器がとてもかっこよく見えた。欲しかったけど言い出せなかった)

ちょっと面白かったのは「養命酒」の広告。児童向け雑誌に養命酒の広告というのも不思議ですが、忍者のおじさんが養命酒を飲んでいるというストーリーが奇抜で、笑ってしまいます。

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(週刊少年サンデー 昭和40年2月14日号に掲載)

そして「小銃」の広告も目を引くもの。広告の掲載は昭和40年で、終戦からまだ20年。大人も漫画雑誌を読んでいたとはいえ、“時代”を感じました。

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(週刊少年マガジン昭和40年9月19日号に掲載 )

それにしても、広告を載せただけとも言える本ですが、これだけの広告を集め、画像を修復し(10カ月もかかったそうです)、権利処理をする。その苦労は察するに余りあります。

関係者の熱意と努力に頭が下がりますが、おかげで、ちょっとした宝物をもらった感じです。

ちなみに、同じシリーズの第2彈で『昭和ちびっこ広告手帳2 大阪万博からアイドル黄金期まで』も出ています。

その時代、私はすでにちびっこは卒業。悩みましたが、買うのは後日ということに…。

昭和ちびっこ広告手帳2 大阪万博からアイドル黄金期まで (ビジュアル文庫)