えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『過去をもつ人』を読みました

過去をもつ人

今年61冊目の読了は、『過去をもつ人』(荒川洋治/みすず書房 初版2016年7月20日)です。書店で目にして手に取りました。
以前、著者が出演していた朝のラジオ番組をよく聴いていたのですが、独特の語り口が今でも耳に残っています。

本書は、詩人である著者の読書に関するエッセイを収録したものです。テーマは、小説や詩歌といった文芸作品だけでなく、辞書や地図帳、天気予報まで及んでいますが、読んだ書物一冊一冊について、著者の思いが、厳しく、また温かい言葉で綴られています。自分にとっては馴染みのない作品、作家をテーマとしたエッセイが大半でしたが、著者の巧みで知性あふれる文章と印象的な引用文によって、作品の描かれている世界を著者と少し共有できたような気がしました。

著者はショーペンハウアーの『読書について』を読んで、「いまは一般的読書が支配。本らしい本を読む人は少ない。読書が消えた時代だ。静かだ。読書とは何かを考えるときなのかもしれない。」と思ったそうです。
著者の言う“本らしい本”というのがどのようなものか考えが及びませんが、今の自分は一般的読書が多く、“本らしい本”はあまり読んでいない感じです。

折りをみて、本書で取り上げられている本の1冊でも読んでみようと思いました。

読後感(よかった)