えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『Dr.ヤンデルの病院選び~ヤムリエの作法~』を読みました

Dr. ヤンデルの病院選び 〜ヤムリエの作法〜

2019年33冊目の読書レポートは、『Dr.ヤンデルの病院選び~ヤムリエの作法~』(著 市原 真/丸善出版 初版平成31年4月30日)。書店で目にして手に取りました。

著者は札幌の病院に在職する病理医。ツイッターでは「病理医ヤンデル」という名前でつぶやき、フォロワーは10万人近くいるというから驚きです。

タイトルと表紙は一風変わっていますが、本書はそのヤンデル先生が、ワインのソムリエならぬ、病院選びのソムリエ(やまいのソムリエ=「ヤムリエ」)として、「医師である自分が病気になったとしたら、あるいは自分の大切な人が病気かもしれないと思ったとき、少しでもラクに、お得に、病院にかかる方法」を紹介してくれるもの。

お医者さんが一般の人向けに書いた本というと、病気の解説や健康法、仕事に関係するエッセイといったところが定番ですが、病院選びの本というのは、珍しいかもしれません。

本書は2部構成。まず第1部(総論)では、「いい病院の条件」、「主訴による病院選びのコツ」、「大病院と開業医どちらを選ぶか」について教えてくれます。

「病院は通いやすいところがいい」。「医者を選ぶなら人柄で」。当たり前過ぎるような話ですが、ヤンデル先生の説明は明快。読めば十分納得できるものです。

そして第2部(各論)では、「風邪」、「血圧、コレステロール、血糖」、「咳、アレルギー、皮膚病、睡眠の悩み」、「急性の心臓病、脳の病気」、「性病、ナイーブな部位の病気」、「がん」、「健康診断、がん検診」。それぞれについて、病気の本質や特徴とともに、病院のかかり方・選び方、対処方法などについて解説しています。

実用書が“面白い”ということはあまりありません。しかしヤンデル先生は、人間を街にたとえ、水流(血管)の維持の大切を示したり、ガンの説明にサイコロを使ったり、ガンとの戦いを戦国時代の合戦になぞらえたり…。専門的な話を噛み砕いて説明。読者のことをよく考えてくれています。

文章はちょっとユニーク。さらに「ささやき」という本文の補足を読むのが、やっかいに感じることも。

それでも体が不調になったときにいつも悩むこと―「どう対処したらいいか(病院に行った方がいいか)」、「病院はどこがいいのか」、「何科を受診したらいいのか」など―について、その答えを知ることができて、またダウンロードしたままだった消防庁のアプリ『Q助』の使い方もイメージできて、とても参考になりました。

多くの人にとって役に立つ本であることは、間違いないと思います。