えむと、メモランダム

読み散らした本と出来事あれこれ

『ビッグデータ探偵団』を読みました

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今年52冊目の読書レポートは、『ビッグデータ探偵団』(著 安宅和人・池宮伸次・Yahoo!ビッグデータレポートチーム/講談社現代新書 初版2019年9月20日)。書店で目にして、手に取りました。

ビッグデータという言葉は、すっかり耳慣れたものになりました。しかし、それが一体どういうもので、暮らしや仕事にどう関係してくるのか、漠然としたイメージしか持っていません。

本書は、これを解決する糸口となるもの。ヤーフーの提供するサービスで蓄積された膨大なデータ(ビッグデータ)を、テーマに沿って抽出して分析。その結果から、データの面白さや、データの持つ力を2部構成で解き明かしていきます。

第1部『ビックデータは、「深層」を描き出す』で紹介されているのは、新入社員と育児ママの悩みや興味関心、日本人の24時間の感情の動き、日本のアーティストが作った16万曲の歌詞の特徴とアーティスト同士の類似性、そして日本における東京の異質な姿。

データ分析で掘り起こされた思いがけない事実(深層)が、工夫を凝らした図表やグラフによってビジュアル化され、目の前に現れてきます。

毎日当たり前のように電車に乗っていますが、日本では東京だけが極端な“電車社会”だという事実は思いもよらないものでした。

そして第2部『ビッグデータは、こんなに役立つ』では、「乗換案内」の蓄積データから混雑予想をしたり、位置情報データから‟隠れ避難所”を探したり、また検索データから選挙の議席数予測や景気予測に挑戦。データの有用性をわかりやすく示しています。

データ分析というと、過去の出来事を分析するというイメージがありますが、分析結果から将来を予測するというのは、データの持つ大きな可能性を感じさせるものです。

本書では、テーマごとにどのようにデータを抽出し、分析したか説明があります。本格的なデータ分析など専門性のある人にしかできないこと。データが価値を産むためは、それを料理する人間の「腕」と「感性」が必要であることにも気づかされました。

ビッグデータが、これからの社会に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。都合のいいように加工された、もっともらしいデータが世の中に溢れ出すこともありそうです。

本書でも言われているように、「データは完璧ではなく、正しい真実ではない」ことを肝に銘じて、怪しいデータに惑わされない眼を持つことが大切になってくるに違いありません。