えむと、メモランダム

読んだ本と出来事あれこれ

『僕らの仕事は應援團。心をゆさぶられた8つの物語』を読みました

僕らの仕事は応援団。

2017年46冊目の読了は、『僕らの仕事は應援團。心をゆさぶられた8つの物語』(我武者羅應援團/大和書房 初版2012年8月20日)です。先日読んだ『「考える人」は本を読む』(河野通和/角川新書)で紹介されていた本です。5年前に発行されたものなので在庫がない書店が多く、手にいれるのが少し大変でした。

本書は、プロの応援団といわれる「我武者羅應援團」が実際に行った応援のなかで、メンバーの心に残った8つのエピソードを綴ったものです。
不仲の父と息子、その息子の結婚式での応援、過酷な24時間マラソンでの応援、母子家庭の幼い姉妹から母への応援、組織の歯車として働くサラリーマンへの応援、フランスで行われたジャパンエキスポでの応援、未来の看護師の前で行った応援、東日本大震災の直後に、気仙沼で行われた選抜高校野球大会のパブリックビューイングの会場での応援、そして団長の母校の同窓会での応援。いずれも事は簡単には進まないのですが、団員たちが考え抜いた末に行った熱いエールによって、多くの人が力づけられていく様子は、読んでいて心あたたまるものがありました。

応援といっても、出演依頼があってパフォーマンスをしているだけでは、単なる出し物で終わってしまいます。ところが、この応援団はまず依頼主とよく話をし、どうすれば依頼主の願いに応えられるかとことん考えてから、精一杯それこそガムシャラに応援します。すると観ている人は、いつのまにか懸命な姿そのものに心が動かされ、“応援”を超えたものを感じるようになっていきます。
松下幸之助さんは、ものごとが成功する第一の条件は熱意だと言っていました。熱意があればどんな困難も乗り越えられる。熱意があれば周囲の人間はその姿に動かされ、情勢が変わっていく。まさに、この言葉通りのことが本書で描かれています。

本書を読み終えて、YouTubeで実際の応援の様子を見ました。なるほど、こんなふうに応援されたら、みんなきっと感動するだろうと納得する内容でした。

読後感(まずまず)