昨夜、「NHK交響楽団定期公演 第1914回(5月Bプログラム)」があり、サントリーホールに足を運びました。
指揮はネーメ・ヤルヴィ。プログラムの前半は、イベールの『モーツァルトへのオマージュ』とフランクの『交響曲ニ短調』。後半は鈴木優人さんのオルガンで、サンサーンスの『交響曲第3番』。“オールフレンチプログラム”です。
『モーツァルトへのオマージュ』とは初対面。5分ほどの短い曲でしたが、明るさと軽やかさ―モーツァルトらしい雰囲気を味わいました。
2曲目のフランクの『交響曲ニ短調』は私の好きな作品のひとつで、CDではよく聞きます。昨夜のヤルヴィの指揮は少しあっさりした感じ。それでも、弦と管のメリハリの効いた演奏は、この曲の持つ劇的な印象をより際立てていました。
そして、昨夜は何といってもサンサーンス。サントリーホールで聞くパイプオルガンを楽しみにしていたのですが、包み込むように、降ってくるように、あるいは湧き上がるように響くオルガンの音色は何とも言えず素晴らしいもの。
ヤルヴィのアップテンポの指揮に応えるオーケストラも見事で、ふたつが融合した演奏は“圧巻”。まさに息をのんでしまい、演奏が終わった瞬間、思わず「フー」と息をはいてしまいました。こんなことはそうはありません。
演奏終了後、ヤルヴィの手招きで鈴木さんが演奏席からステージに急いで移動。聴衆から盛んに拍手を受けていた二人の姿は、今日の演奏とともに忘れられないものとなりそうです。