えむと、メモランダム

読んだ本と出来事あれこれ

NHK交響楽団「第2003回定期公演」

昨日、NHK交響楽団「第2003回定期公演(Bプログラム)」があり、サントリーホールに足を運びました。

指揮はトゥガン・ソヒエフ。
プログラムの前半は、N響のゲスト・コンサートマスター郷古廉さんのヴァイオリンと、首席ヴィオラ奏者村上淳一郎さんのヴィオラで、モーツァルトの『ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲』。

弦楽器が独奏するモーツアルトの作品のなかでは「名曲」と言われていますが、コンサートで聴くのは初めて。

ソリストお二人のテクニックと情感豊かな音色、息のあった演奏、そしてオケとの一体感。どれをとっても素晴らしく、作品の良さを改めて実感することができました。

それにしても、第2楽章は「これ本当にモーツァルトの作品?」といつも思ってしまいます。

アンコールは、同じモーツァルトの『ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第2番から第3楽章』。お二人の演奏を存分に楽しみましたが、ヴィオラの深い響きは格別で、“縁の下の力持ち”から解き放され、存在感いっぱいでした。

プログラムの後半は、ベートーヴェンの『交響曲第3番「英雄」』。コンサートでは定番の交響曲とはいえ、指揮者の振り方で曲の印象は違ってきます。

昨日の「英雄」は、作品そのものが持つ重厚感よりも、彩りと温かみのある躍動感が印象的。弦のうねりが押し寄せるなか、木管の美しい音色に心が奪われました。

ところで、昨日のコンサートマスターは藤江扶紀さん。私は、N響のコンサートで女性がコンマスを務めるのを初めて見ました。

実力の世界なので、女性を特別視するつもりはありませんが、それでも誰もができることではありません。「たいしたものだ」と素直に感心しました。