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『世界報道写真展2018』

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東京都写真美術館で開催中の『世界報道写真展2018』へ行ってきました。

本展は、報道やドキュメンタリー写真を対象として、オランダの世界報道写真財団が行う「世界報道写真コンテスト」の入賞作品を展示するものです。

会場では、「現代社会の問題」「環境」「一般ニュース」「長期取材」「自然」「人々」「スポーツ」「スポットニュース」の8部門における単写真と組写真それぞれの入賞作品が展示されています。

大賞は、「スポットニュース」の部単写真で1位となったロナルド・シュミット氏の作品で、ベネズエラでの、大統領への抗議行動中に火だるまになったデモ参加者を捉えた1枚。(本展のパンフレットに掲載)

そのほか、ロヒンギャ難民の悲惨な状況、イスラム国からのモスル奪還を巡る戦闘に巻き込まれる市民や街の姿、ラスベガスの音楽フェスティバルでの銃乱射事件の惨状、ロンドンで起きたスポーツ用多目的車(SUV)の暴走事故現場、イスラム過激派「ボコ・ハラム」に誘拐された少女たちなど、どの写真も衝撃的で目が奪われ、心に迫るものがありました。

その一方で、世界の主要都市での廃棄物処理の様子や、オランダでの革新的な農業技術による食糧生産の様子といった写真は、今の時代を映し出していて印象的。また、ケニアでの子象の保護活動を記録した写真などは、重い気持ちを少しほっとさせてくれます。

それでも、見終って心に残ったのは、今の世界は暴力と矛盾に満ちているという現実。そして、世界は知らないことだらけということを、改めて思い知らされました。

展示された写真で十分かとも思ったのですが、せっかくなので、図録(写真集)を買って帰りました。