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『科学が暴く「食べてはいけない」の嘘』を読みました

科学が暴く「食べてはいけない」の嘘―エビデンスで示す食の新常識

2020年19冊目の読書レポートは『科学が暴く「食べてはいけない」の嘘』(著 アーロン・キャロル 訳 寺町朋子/白楊社/初版2020年3月26日)。書店で目にして手に取りました。

かつて、「味の素」はどの家にもあった調味料。小さい頃、小瓶に入った「味の素」を漬物にパラパラと振りかけていた記憶があります。

ところがいつの頃からか、台所や食卓で姿を見かけなくなってしまいました。

化学調味料という名前のせいか、(今は「うま味調味料」と言うそうです)、ネガティブな風評のせいか、理由はよくわかりません。

本書は、米国インディアナ大学医学部の小児科教授である著者が、世の中で「食べてはいけない」と言われている食品について、その真偽を明らかにするもの。

この「うま味調味料(MSG)」のほか、「バター(乳製品)」、「肉」、「卵」、「塩」、「グルテン」、「酒」、「コーヒー」、「ダイエットソーダ(人口甘味料)」、「非有機食品」を取り上げ、「食べてはいけない」根拠となった研究結果を検証・分析し、エビデンスに基づき「悪い食品」というレッテルをはがしていきます。

本書によれば、これらの食品が体に良くないとされたのは、質の低い研究、都合のいい解釈、そして出版バイアス(研究結果によって発表の優先度決める)や確証バイアス(自説を支持する情報だけに目がいく)などのせい。

明確な根拠に乏しく、一方的に悪者扱いされたことがよくわかります。

これでは、関係する生産者や事業者はたまったものではないでしょう。

著者は、「食べることは、人生の大きな喜びの一つだ。誤った情報やでたらめな科学に踊らされて、おいしいものを食べる楽しみを奪われてはならない」と述べています。

確かにその通りだと思いますが、考えてみれば、人間の健康には、食べ物に限らず、運動や睡眠、環境やストレスなど様々な要因が関係しているはず。

もちろん、体質や病気などのために注意しなければならない食品もありますが、食べ物だけをとりあげて、健康にいいとか、悪いとか気にするのはあまり意味がないことで、精神的にも悪そうです。

ただしそれでも、「バランスの取れた節度ある食事」を心がけるのは忘れてはならない大切なこと。

そして私にとっては、アルコールの取り過ぎも要注意となります。