NHK交響楽団「第1954回定期公演(Aプログラム)」があり、東京芸術劇場に足を運びました。
相次いだコロナのための代演もなく、会場も空席は数えるほど。いつもの定演が戻ったようでした。
今日の指揮は、クリストフ・エッシェンバッハ。プログラムの前半は、ドヴォルザークの序曲『謝肉祭』と、スタティス・カラパノスのフルートで、モーツァルトの『フルート協奏曲第1番』。
今日のステージでまず目を引いたのが、カラパノスさんのお洒落な衣装。ポップスでも吹きそうな感じでしたが、その音色は、柔らかく、温かく、すぐにモーツアルトの世界へ誘われることに。第2楽章の抒情的な演奏と、第3楽章の軽やかさは聴きごたえがありました。
アンコールは思いがけず2曲。そのうちの1曲が「となりのトトロ」でお馴染みの『風のとおり道』。まさかの選曲で意表を突かれましたが、心に染みました。
プログラムの後半は、ベートーヴェンの『交響曲第7番』。
これまで何度も聴いている作品ですが、エッシェンバッハさんとN響が一体となった演奏はまさに圧巻。
特にヴァイオリンの躍動する響きと、チェロとコントラバスの重厚な響きは鮮烈で、今も頭の中で鳴り響いています。
演奏終了後、カーテンコールも繰り返されたのですが、団員がステージから去っても聴衆の拍手は鳴り止まず。
コンマスの篠崎さんのエスコートでエッシェンバッハさんがステージに再登場すると、さらに熱い拍手が送られました。
昨年のブロムシュテットさんが思い出されます。