今日は、NHK交響楽団「第1956回定期公演(Aプログラム)」があり、東京芸術劇場に足を運びました。
指揮は、マレク・ヤノフスキ。プログラムの前半は、アリョーナ・バーエワのヴァイオリンで、シューマンの『ヴァイオリン協奏曲 ニ短調』。
演奏される機会は少ないものの、個人的には好きな協奏曲のひとつです。
バーエワさんの演奏を聴くのは初めてでしたが、情感あふれる優美な音色と、繊細なテクニックが印象的。
シューマンはこの曲を、「天使から教えてもらった曲だ」と語っていたそうですが、ロマン派の香り漂うヴァイオリンの音色が、今も耳に残っています。
ところで、バーエワさんの艶やかドレスには、ウクライナ国旗と同じ青と黄色のリボンが着けられていて、感じるものがありました。
プログラムの後半は、シューベルトの『交響曲第8番「ザ・グレート」』。
これまで何度も聴いてきた交響曲ですが、ヤノフスキさんの外連味のない指揮によるN響の演奏は、「身震いするほど」といっても過言ではないもの。
重厚で、時に切ない弦の響きと、木管の透き通った音色に、すっかり魅了されたのですが、最終楽章のコーダでは弦の動きに圧倒され、息を飲んで聴き入ってしまいました。
オーケストラの緊張感が客席にも伝わってきた演奏は、ずっと心に残りそうです。
演奏終了後、聴衆の拍手は鳴りやまず、今日もヤノフスキさんの一人アンコールがありました。これから恒例になるのかもしれません。